高松城跡天守台見学会~修理中の石垣を見よう~ [香川]
12月11日に高松市玉藻町の高松城跡で修理中の天守台の石垣を一般公開して現地説明会を開くというので見に行ってきました。
教育委員会の資料によると
『高松城跡は築城から約420年が経過しており、石材の劣化や度重なる地震により石垣によってはハラミ・ズレ・ヌケといった現象が見られる。
石垣の危険度を把握するため、平成16年度に高松城跡の全石垣について調査を実施した。
この調査により、天守台石垣が最も危険であることが確認され、石垣の解体修理を行うことを決定した。
18年度はその準備作業として、作業ヤード及び解体石材仮置き場として使用するために内堀を埋め立て、玉藻廟の解体・記録保存、天守台上部の発掘調査を実施した。
19年度に解体工事、20年度に周辺地盤の補強を行い、21年度から積直しを実施している。
本年度は積直しをさらに進め、現在は全体の半分程度の積直しが完了している。
今後は23年度に石垣積直しを完了し、24年度に上面の仕上げを行う予定』
としている。
『現在は全体の半分程度の積直しが完了』ということで今回の現地説明会が開かれたわけだ。
本来の石垣の高さは約13メートル。
解体された石材は大小約3,000個あり、20センチ以上の石にはすべて番号をふり、一つ一つカルテを作っており、それをもと通りに積み上げています。
現在の高さは約8メートルまで積み上がっています。
解説をしていただいた学芸員の話では、高松城天守台は海城のため砂地に立つので地震による液状化現象や海水の干満で石垣内部の盛り土が徐々に流れ出し石垣の崩壊につながっているそうだ。
現代工法でコンクリートなどを使えば修復など簡単なことだが、江戸時代に使われた技法で補強して再び石垣を組み上げるのはかなり大変な事。
現代の最新計測機などを使って昔の築城技術を再確認することは技術の伝承する上で非常に重要だ。
今回の見学会の目玉は『石垣の崩壊を招いた石垣内部の盛り土を如何に防ぐか?』だという。
つまり石垣最下段の外側を松の杭を打ち込んで板材で三角形になるようにそれぞれを固定しその中に石を詰めて補強したり石垣と内部の盛り土の間に細かな砕石を詰めて海水の干満にによって海水だけが出て盛り土が流れ出ないようにしている。
また、盛り土は砂が多いため粘りがないので石灰を2%入れて粘りを持たせたそうだ。
その他の見どころは石垣の角にしょだい城主の生駒家の家紋が彫り込まれているのが確認できる。
石垣が組終わると見えなくなってしまう。
石垣の積み直し作業は解体作業と全く逆回しで行われており、壊れた石などは、石を分析してよく似た石に取替えを行っています。石材の8割が花崗岩で屋島から庵治にかけた地域から採石されたと見られている。中には海岸で拾ってきた様な石もあり牡蠣殻などが付着した石もある。
今回の石垣組み直し作業は平成23年度に完了の予定で、24年度には上面の仕上げを行う予定となっている。
天守閣の復元という夢もあり、今後の調査に期待したい。
こんばんは。お久しぶりです。
コメントをありがとうございました。お変りなくお元気そうで何よりです。
これは、大変なプロジェクトですね。
石に彫った家紋に、こだわりと誇りが感じられますね。
by 枝動 (2010-12-11 23:26)
枝動さん、コメント有難う御座います。
当時の技術を使って復元するのはお金も時間もかかるようです。
by syousyou (2010-12-16 21:19)